August . 2
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BGM ・ 蒼い雨
Blue Moon Rain
         今日が始まる


街はゆっくりと確かな息づかいで目覚めてゆく
昨日の続きのようでもあり
昨日をリセットした新しい一日のようでもある

この瞬間はすべて過去になっていくと考えるか
この瞬間はすべて現在と考えるか
それは人それぞれ

ただ今日からは前向きに生きようと決めた
自分をもっともっと好きになって
自分をもっともっと素敵だと思って
キラキラと輝いて生きよう

今日が始まった
優しい友の声が私のハートにこだまする
(8月11日)
(8月12日)
        休暇


私にも一日だけ休暇をくださいな
夏の思い出作りに出かけたいの

蝉時雨が消えてしまわないうちに
入道雲が解散してしまわないうちに
あの場所を訪れたいの

一緒に行こうって約束したじゃない
おしゃべりするだけで十分なの

夏が行ってしまわないうちに
溢れる気持ちを伝えたい
ブルーのパラソルの下で
      お互いの進む道


私たちこの空港から飛び立ちましょう
あなたは東へ 私は西へ
そう・・・ 私たちの進む道は違う方向
今 ここで一緒にいるのは最後の逢瀬
あなたの大きな背中が涙でかすんで見えない

私たちにはたくさんの思い出が出来た
それだけで十分に幸せ
あなたは東へ 私は西へ
振り返らないで 名前を呼ばないで
あなた以上に辛い私 私以上に辛いあなた

このまま進もう 私たちが決めた選択だから
(8月13日)
(8月14日)
         万灯供養


お盆の行事として毎年行われる四天王寺の
「盂蘭盆会(うらぼんえ)万灯供養」
日没とともに先祖の法名や俗名を記した
約1万本のローソクに灯りが灯された


その中を般若心経を唱えながら僧侶が
練り歩るき 万灯供養法要が執り行われた
訪れた参詣者たちは先祖の冥福を祈り
揺らめく灯影に合掌する

全国各地でお盆の行事が始まった
今年新盆を迎えるたくさんの友のお身内に
心から供養の言葉を贈りたい
           小さな幸せ


ちょっとワクワクの夏期休暇も今日で終わり
また明日から日常が始まってゆく
この一週間 外食三昧した夏期休暇だった

「衣食住」の中で・・・
着るものに興味があっておしゃれした独身時代
住まいのコーディネートをするのが好きだった新婚時代
そして今最大の関心は食べること

美味しいラーメン屋さんの噂を聞いては和歌山まで行き
美味しい中華料理の噂を聞いては神戸まで行き
美味しい和食の噂を聞いては京都まで行く

形には残らないけれど美味しいものを食べることは
今の私の哲学  小さな幸せである
(8月15日)
(8月16日)
            嘘


船が港に着いた 女は男を待っていた
二人は今度会ったら一緒になろうと約束をしていた
男はいつもロマンを求めて彷徨う旅人だった

二人で港のクラブで夜通し飲み明かした
ロマンを語る男の目は輝いていた
女はこの男を自分のために縛ってはいけないと思った

「一緒になる気など毛頭ないわ」女はそう言った
正直者の女がついた嘘である

男は再び船に乗った
出航の汽笛が聞こえてくる 心に切なく響く
(8月17日)
        大文字五山送り火


京都の夏を彩る「五山送り火」が16日夜行われた
送り火はお盆にお迎えしたご先祖様の魂を
再び冥界とお送りし 無病息災を祈る伝統行事

如意ヶ岳大文字の「大」 松ヶ崎の西山に「妙」
東山に「法」 西賀茂船山に「船形」 
大北山に「左大文字」 北嵯峨の曼荼羅山に「鳥居」が
灯され 五山送り火が完成する

夏の夜空を燃えつくしそして消えてゆく
京の夏の終わりを告げる五山送り火である
        行ってしまう夏へ


キラキラ弾けるレモンスカッシュの泡のように
今にも落ちそうな線香花火のように
私たちの上にいたひと夏が過ぎてゆく

見つめてくれる人がいたから きれいになれた
見つめる人がいたから がんばれた
毎日瞳の中に私だけが映っていることを確かめた
来る日も来る日も愛を確かめ合って
照りつける太陽よりも熱い気持ちでいた

夏が行ってしまっても火照った心は冷めはしない


Photo by Takecha Thanks!  (8月18日)
(8月19日)
        小川のせせらぎ


街中の公園に小さな小川がある
この小川が好きで 時々電車に乗ってここに来る
何もない小川だけれど昔を思い出すからだ

昔々の私はとてもおてんばだった
テレビゲームもゲームセンターもなかった時代
遊ぶ相手は自然と花や虫たちだった

ここに来ると なぜかタニシやゲンゴロウをとっていた
幼い私を思い出す
いつも近所の子供たちと一緒に遊んだ
きっとこの頃に 人との繋がりを築いていったと思う
故郷の小川は私を育ててくれた大切な自然

せせらぎに足をつけると昔に戻っていく
(8月20日)
         ブルーハワイアン


「残暑お見舞い申し上げます まだまだお暑いですね」

こんな言葉が定番になってきた
出かけると玉のような汗が出て 帰宅後すぐにシャワー
残暑厳しい毎日が続いている

少し遠出をして帰りにデパートに立ち寄った
ウインドーの中にいた この冷菓子を見つけた
迷わず 「これください」 と指差した
今日の自分に「お疲れ!」って言ってあげたくて買った

その名も 「ブルーハワイアン」