October . 2
BGM ・ (散歩道)
オリジナルピアノサウンド
       私を探してくれる日


この場所からいつもあなたを見ているのに
あなたからは私が見えなくて
支度が終わるとすぐに行ってしまう

それでもまたあなたがここに来ることを信じて
私は同じ場所で今日も待っている

待つことは辛いことだけれど楽しいことでもある
「いつかきっと」
そう信じているから待っていられる

そしていつかきっとあなたは
たった一人の私を探してくれるにちがいない

(10月11日)
戻る
次へ
         秋が届く


優しいあなたから私に秋が届いた
小さな包みにあなたの愛がいっぱい詰まっていた
紅葉に秋桜に菊の花・・・
あなたらしい秋を表現して届けてくれた

電話の向こうのあなたは言う
「ほんの気持ちだけ 秋を感じてください」・・と
その声はやけに優しくて私の声を詰まらせる

人ってどうしてこんなに素敵なのか
人ってどうしてこんなに思いやりがあるのか

今すぐ飛んで行ってあなたに会いたいと思った
(10月12日)
         架け橋


この橋はどこまで続いていますか?
この橋を渡って行けばあなたに逢えますか?

あなたと私の間には大きな海が横たわり
私は容易にはあなたの許へ行けない

こんなにも愛しくてこんなにも逢いたくて

そんな想いを雲がわかってくれて
私の道しるべとして一緒に流れてくれる

あと何マイル行けばあなたに逢えますか?
(10月13日)
            金木犀


「香りはすれど姿は見えぬ けれど想いは郷愁」

金木犀の香りのする今が私の一番好きな秋
ご近所に大きな金木犀の木のある
その木の下に行くとそこはもう香りの世界
どんな香水もこの木の下では無意味だと思う

実家の庭にも一本の金木犀があった
その香りが懐かしくて微笑ましいことを思い出した

子供の頃母は金木犀の木の下に花ござを敷いてくれた
私はえりちゃんと広子ちゃんとで金木犀の花を
ままごとのお茶碗に入れてご飯にした
そして星のような金木犀のご飯を
ケラケラ笑いながらお腹いっぱい食べた
(10月14日)
(10月15日)
        ここは清水の舞台


京都の桂川でこんな可愛い水鳥を見つけた
渡月橋を少し東に行ったところから望遠で撮った
水鳥の表情がたまらなくいい

少し険しい水の流れに飛び込もうとしている
ためらいと勇気が渦を巻き葛藤する
ここは人生の「清水の舞台」

私も清水の舞台から飛び降りたことがある
何度か大きな決心をして飛び降りたことがある

その選択は正しいかどうかわからない
もうひとつの選択肢の結果がわからないからだ
けれど今とても幸せだからきっと正しかったのだ
人生には何度か勇気を試される時が来る
(10月16日)
           無題


秋の公園にはたくさんの楽しい出来事がある
子供たちの遊びを見ていると時間を忘れてしまう
子供は遊びの天才だと思う

私もかつてはこんな幼子だったし
すっかり大人になった娘や息子も幼子だった
無心に遊ぶ姿を見ているとこの子たちの未来は
平和で輝いたものでなければいけないと思う

一日だけ過去に戻れるなら
秋の陽だまりの中でこの子たちのように
他愛もなく元気に公園で遊びたいと思う
(10月17日)
       ねぇ お茶しよう・・・


秋が深まって来た
秋の夜長にあなたを誘ってティータイム
窓辺につるした1本のロープにつかまって
あなたは私のお部屋にやってくる
そこは誰も知らない私たちのプライベートルーム

今夜も誰にも見つからずにあなたに会えた
まるでロミオとジュリエットのようだと苦笑する

さあ紅茶とケーキを用意した
秋の夜長は誰かと話がしたくなる
メールでもなく電話でもなく
あなたの瞳に私が映っていることを確かめて
あなたのぬくもりに触れていたい
(10月18日)
       野の花の詩


風に吹かれて咲いている野の花よ
おまえには野心はないのかい?

短いひとときをときめいてきれいに咲いて
あの人に見つけてもらおうなんて
そんな野心はないのかい?

きっとおまえは無心に咲いているから
とてもきれいで人の心を惹きつけるんだね
そしてあの人の目に留まるんだね

私もおまえのように無心になりたいよ

        100円の癒し


触るとフワフワしていて優しくて可愛らしい
これは母の病室の枕元に置かれているお人形
付き添ってくださっているお手伝いさんが
母にと買ってくださったもので
100円均一で買ったと聞いて驚いた

なぜか母のお気に入り 私のお気に入り
ドクターのお気に入り ナースのお気に入り
お見舞い客のお気に入り

優しさを与えてくれるこのお人形に
サッちゃんとフクちゃんと言う名前をつけた
「幸と福」から命名した名前だ

そして今日もサッちゃんとフクちゃんは
母を守ってくれている
(10月19日)
Photo by Yasunori   (10月20日)
          夕陽


沈む夕陽に照らされて
あなたの顔も私の顔も緋色に染まってゆく

私の心の色はいつだって緋色の世界
あなたを想って緋色に染まる

秋風に火照った想いを冷やされて
けれどまた紅く紅く ・・・
今度はもっと紅く染まってゆく

あなたへの想いは永遠で
夕陽のようにいつだって紅く切なく燃えている