ザクロ・有田  (9月1日)

   初夏に鮮やかな赤い花が咲いていたザクロ。
  花の時期は終わり、夏の間に少しずつ
  実が膨らみ始めた。 やがて秋になると
  赤く熟した果実が割れて、中からルビーのような
  実が見えてくる。
  種子が多いことから、子だくさんのシンボルとされ
  日本では鬼子母神にザクロの実を供える
  風習がある。
  赤い花から2ヶ月余、自然の恵みをしっかり受けて
  実を結んだザクロに嬉しさを感じる。

 
花・9月 1
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ポーチュラカ・阿倍野区  (9月2日)

   一列に並んで何を相談しているの?
  それとも楽しそうにコーラスでもしているの?
  夏の名残の花たちが残暑の中
  ゆく夏を惜しむかのように咲いている。
  随分 長い間楽しませてくれた。
  姿を消す前に、しばらくは夏の花たちを
  アップしていこう。
  この花も日中はこんなに元気なのだが
  夜になると眠りにつく。
  
ペチュニア・自宅  (9月5日)

   5月にプランターに植えたペチュニアが
  今夏どれほど私の気持ちを和ませてくれたことか。
  花壇や街角でよく見かけるポピュラーな花だが
  この花の素晴らしさはなんといっても花の色。
  絞りや縁取りもあり鮮やかな色は夏の花の主役。
  驚くほどに次から次へと咲き、毎日の水やりが
  楽しかった。 
  もうしばらく私の話相手になってくれそうだ。
ブッドレア・東住吉区  (9月7日)

   小さな花が集まって、風にそよがせながら
  咲いていた。
  和名をフサフジウツギといい、花の蜜の香りに
  誘われて、蝶がたくさん集まることから
  「バタフライブッシュ」とも呼ばれている。
  夏の暑さの中、そこだけスノーベールを
  かぶったようで、この花にはずいぶん清涼感を
  与えてもらった。
  照りつける太陽の下で、どうしてこんなにも
  優しく咲いていられるのだろう。
  
          
アスター・阿倍野区  (9月9日)

   ファウストに恋をしている少女マルガレーテは
  彼が自分を愛してくれているかこの花を採って
  「イエス」 「ノー」 「イエス」 「ノー」と占う。
  そして最後の一片が「イエス」となり狂喜する。
  ゲーテの戯曲 「ファウスト」の一シーン。
  それから人々はこのアスターの花占いによって
  恋の成否を占うようになった。
  アスターはギリシャ語で「星」という意味。
  人々はこの花を「星の花」と呼んだ。
おおばこ・東住吉区  (9月12日)

   おまえを見つけると、一緒に原っぱに寝転んで
  おしゃべりしたくなるよ。
  ホラ! 昔 ずいぶんおまえに独り言を
  聞いてもらったね。
  跳び箱が5段飛べないことや、給食のミルクが
  大嫌いだったことや、親友と少し気まずくなったことや
  隣のクラスの男の子が好きだったこと。
  こんな9月の夕暮れ時に、原っぱで寝転ぶと
  いつもおまえがそばにいたね。
  おまえの葉 スペードの形をしてるんだよね。
  それを見て「私はいつもハートのクィーンよ」って
  言ってたね。
  あの頃から私は道ばたにいるおまえが好きだったよ。
マリーゴールド・東住吉区  (9月13日)

   この花には青春時代の思い出がある。
  1971年、和歌山で開催された黒潮国体。
  全国からたくさんの若者が集まって
  スポーツの祭典が行われた。
  真新しい会場や整備された舗道のいたる所に
  マリーゴールドが植えられていた。
  コンパニオンを勤めさせて頂いた私は
  たくさんの若者たちとお話をさせて頂いた。
  勝利の感動、敗北の落胆を若者たちと共有した。
  駅でのお別れは少し切なくて、肩を落として
  帰郷する高校生の手のひらに、持っていた
  キャンデーをそっと載せた時、彼は涙を流した。 
  たくさんの出会いと感動を この花は
  ずっと見守っていてくれた。
  
チョウセンヨメナ・有田  (9月15日)

   今日は優しい花をアップしたかった。
  花の少ない夏の季節に撮った写真。
  その中から優しくて古風な花を選びたかった。
  畑の中でひっそりと咲いていたこの花。
  けれど高貴な紫が私の心をとらえ
  思わず摘んで帰りたい衝動に駆られた。
  今日は「敬老の日」
  すっかり年老いた母さんの為に
  どうしてもこの花をアップしたかった。