牡丹・當麻寺(奈良県) (5月10日)
「立てばシャクヤク、座ればボタン・・・」と、美しい女性の姿を形容するかのように、
その豪華で優しい美しさを称されてきたボタンとシャクヤク。
とりわけボタンは古くから歌舞伎や絵画、文学作品に数多く取り上げられ、
その艶やかな花姿を披露してきた。
奈良には代表的なボタンの寺がふたつあり、ひとつに桜井市の長谷寺。
そしてこの當麻寺(たいまでら)である。 この寺は全体で1万株程のボタンが
植えられていて、境内いっぱいに咲き乱れる様子は、
まさに 「百花の王」と呼ばれるにふさわしい。
種類によっては一重、八重、百重、万重があるというが、いずれにしても幾重にも
畳み合わされた花びらの一枚一枚が息をのむほど美しい。
日よけの和傘を差しかけられ、趣きも一層増し、
古都・奈良の花の歴史を物語るように咲いている。