花・5月 2
芝桜・花のじゅうたん(兵庫県・三田市)  (5月6日)

   ゆるやかな丘陵に植えられた芝桜は、その数 1億輪。 60種類の花が咲き誇り、
  一面はまさにじゅうたんを敷きつめたよう。 
  これだけの広さを持つ芝桜専門庭園は、北海道以外では例をみないという。
  青い空とピンクのじゅうたんがまるで楽園のように、人々の心をゆったりと包み込む。
卯の花・住吉大社(住吉区)  (5月6日)

   初詣で有名な住吉大社が卯の花ゆかりの神社であることは、以外に知られていない。
  住吉大社が鎮座した日が卯年、卯月、卯の日と伝えられ、卯の花と兎は大切にされている。
  毎年5月最初の卯の日に、卯之葉神事が行われる。 武道館そばの卯の花苑では、
  この神事からわずか一週間だけ一般公開され、その美しい花姿を披露する。
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石楠花・岡寺(奈良県・明日香村)  (5月7日)

   西国三十三ヶ所巡礼のひとつとして信仰の深いこの寺は、シャクナゲの寺としても有名で、
  薄暗い急勾配の斜面には、淡紅色の花が連なるように咲いている。
  もともとシャクナゲは乾燥に弱いため、高山や深山に咲く花だが、
  大木の多いこの寺の日当たり具合が丁度いいのか、生き生きと憂うようだ。
  控え目な色合いで木立に彩りを添え、訪れる人達に一服の清涼感を与える。
  
ポピー・長居公園(東住吉区)  (5月8日)

   一年中お花が楽しめる長居公園で、今ポピーが見ごろをむかえている。
  ここに咲くのは色とりどりのアイスランドポピー。  
  ロマンチックでまるでメルヘンの世界から抜け出したようなポピーは、
  園内を散策する人達に愛らしく可憐な花姿を披露する。
  都心にも近く美しく整備された公園で、
  今 春の花たちがオーケストラの演奏会を始めている。
  
藤・(奈良県・當麻町)  (5月9日)

   万葉の昔から藤の花の美しさは歌にも詠まれ、平安時代にも「源氏物語」や
  「枕草子」に登場する。 最上の色とされていた紫は、主上よりほかは
  許されなければ身に付けられなかった色。 それほど高貴な花として愛されてきた。
  また藤は寺院に多く植えられていて、その長い花房が幾千となく垂れ下がる姿や、
  紫色が持つ不思議な魅力は、さながら極楽浄土にほかならない。