花・5月 1
花蘇芳(ハナズオウ)・阿倍野区
                 (5月1日)

   中国原産のマメ科の植物で、葉の前に花を
  付けるので、枯れ木に花が咲いたように見える。
  ひとつひとつよく見ると、蝶のような形をしている。
  花蘇芳の赤い色が草木染めの蘇芳(スオウ)の色に
  似ていることから、このような名前が付けられた。
  春の到来を象徴する花木のひとつで、この時期に
  淡い花水木と鮮やかな花蘇芳が美しさを競い合う。
戻る
次へ
鈴蘭(スズラン)・阿倍野区  (5月1日)

   スズランにまつわる伝説に、昔 武者修行に出かけた
  若者が森の中で道に迷い途方にくれていたところ、
  闇の中から一匹の大毒蛇が襲いかかってきた。
  若者は剣を抜いて、三日三晩血みどろの格闘の末、
  やっと大蛇を倒した。 若者は全身におびただしい傷を
  受け、その血が流れ落ち緑の草を紅に染めたあとに、
  いつしか白いスズランの花が咲いていた。
  森の精が若くて清らかでたくましい若者をいたんで、
  この花を咲かせたと伝えられている。
  イギリスやフランスでは5月1日が「スズランの日」。
  この日にスズランの花束を送ると、送られた人に幸福が
  訪れるという。 花言葉は「幸福がかえる、純潔」。
ネモフィラ・阿倍野区  (5月2日)

   3センチくらいの小さな花だ。 
  ギリシア語で「森を愛する」という意味で、
  別名「瑠璃唐草」という。 葉が唐草模様に
  似ているからだろうか。
  控え目な色だが、心に残る。
  この色を 「瑠璃色」というのだろうか。
  地球もまたこんな色をしているのだろうか。
キリシマツツジ・長岡天満宮(京都府)  (5月3日)

   長岡京は菅原道真が大宰府に左遷される際に立ち寄って、名残を惜しんだ地といわれている。
  天満宮の東には八条ヶ池があり、池を横切る中堤を中心に、樹齢百数十年のキリシマツツジが
  植えられている。
  今 花の回廊は燃え立つような緋色に染まり、訪れる人を歓迎する。
シロツメグサ・住吉区  (5月4日)

   子供の頃にこの花をたくさん集めて、冠を作った
  ことはないですか? 女の子なら誰でも一度は
  冠を作りお姫様になったことがあるはず。
  別名クローバーといい、四つ葉のクローバーを
  見つけると、幸せになれると言われてきた。
  葉の一枚一枚に名声、富、愛情、健康の願いが
  込められていて、四枚揃うと True Love
  (真実の愛)を意味する。 
  今でも幸運を運んでくると信じ、つい立ち止まって
  四つ葉のクローバーを探してしまう。
カキツバタ・長居公園(東住吉区)  (5月5日)

   「いずれアヤメかカキツバタ」と、どちらも優れていて優劣をつけ難いというが、アヤメ、
  カキツバタ、ショウブはどれもアヤメ科の植物で、なかなか見分けが付きにくい。
  なかでもとりわけカキツバタは「心にくいまでの美しさで格別」と、清少納言が枕草子に
  記していて、また万葉集にも数多く詠われている。 
  紫色には独特の雰囲気があり、池にひっそりと咲くカキツバタに時代絵巻をみるようだ。