紅い実の味は?
紅い実がゆらゆら揺れるピラカンサ
あなたは誰のために実ったの?
ナンテン ナナカマド サンゴジュ ウメモドキ
ガマズミ センリョウ マンリョウ ピラカンサ
これらはきっと鳥たちへの恵みのフルーツだと
神様が鳥たちに与えた慈悲の心だと
私はいつもそう思って見上げる
紅いからきっといちご味? それともりんご味?
鳥たちに一度問うてみたいと思う時がある
京都・東山 (11月21日)
(11月22日)
てるてる坊主
てるてる坊主が紅葉の中で微笑んで
「あら笑ってる? あした天気にしてくれます?」
私は哀しい雨女
いつも大切な日には雨が降る
もしもあした天気にしてくれたなら
オープンハートのネックレスをしてあげる
「私の願いを叶えて あした天気になあれ」
伊丹空港 (11月23日)
ターミナル
溢れる想いを胸に出発する女とそれを待つ男
ターミナルでのドラマの続きが
もう一度再現されてスクリーンの映像となる
脚本家は主人公の男と女
二人がこれから先の人生を脚本する
エンドレスなドラマの舞台はいつも空港
ここでたくさんのラブストーリーが展開され
二人の胸に刻まれて消えてゆく
伊丹発 8:00 ANA16便 東京行き
定刻通りの出発
お台場・レインボーブリッジ (11月25日)
みなとみらい21 (11月24日)
観覧車
この部屋の窓から見下ろす観覧車は
いつも切なくて哀しくて夢物語
時間を気にする男の腕時計を
そっとベットの下に隠して知らぬふり
けれど観覧車が時を知らせてカウントしてゆく
あと10分 あと5分・・・・
このまま私の髪を撫でていて・・・・
女の懇願に男は黙って髪を撫でる
観覧車が回る
切ない時を刻みながらゆっくり回ってゆく
架け橋
もつれた糸の先が見つからなくて
捻れば捻るほど糸口が見つからなくて
途方にくれて佇む私
「ごめんなさい」の言葉を言うのは誰?
もしも魔法使いがいたならば
あなたと私の心に橋を架けて
虹色の橋で私たちの心を繋げてほしい
あなたとはもう離れたくない
横浜ロイヤルパークホテル (11月26日)
想い出キラキラ
街の灯りがキラキラとあなたと歩く港町
みなとみらいもランドマークタワーも
赤レンガ倉庫もそしてこのホテルも
少しも変わりなく私に微笑んでくれる
意地悪を言うあなたも少しも変わらなく
私を泣かせるあなたも少しも変わらなく
けれどこの街は私に愛を運んでくれる
想い出キラキラ 横浜キラキラ
羽田空港第2ターミナル (11月27日)
境界線
こんなに近くにいて
こんなにあなたが見えているのに
私の前に立ちはだかる大きな大きな壁
どんなにジャンプしても超えられなくて
どんなに名前を呼んでも聞えなくて
あなたと私の距離は縮まらない
きっとこれが境界線
あなたと私の・・・・ 男と女の・・・・
永遠に超えることのない境界線
京都・曼殊院 (11月28日)
紅葉便り・2005
天台宗三門跡のひとつであり
歴代優れた僧の多かった名刹として知られる曼殊院
もとは比叡山にあり点々としたのちこの地に再建された
江戸時代初期の代表的な建築で閑静亭と呼ばれる書院は寄棟造や柿葦
狩野探幽が描いた襖絵や菊の欄間など見どころも多い
庭園の枯山水は白砂と紅葉が色鮮やかな景色を織りなす
門前の石垣を覆う燃え立つような紅葉はまさに圧巻である
錦秋の秋は一段とその美しさに磨きがかかる
京都・圓光寺 (11月29日)
花一輪
紅の花一輪 あなたはここで何想う
空を見上げて美しいカエデを楽しんで
風に吹かれて散りゆく一葉を受け止めて
紅の花一輪 あなたはここで誰を待つ
優しい人の足音がコツコツコツ
遠くで聞えるコツコツコツ
秋の京都にはさまざまな演出がなされ
訪れる者の心に憂いを与えてくれる
御堂筋の銀杏・大阪市中央区 (11月30日)
紅葉便り・2005
大阪市の大動脈 御堂筋
地下には地下鉄御堂筋線がひた走る
ここは大阪のど真ん中
御堂筋の銀杏並木は淀屋橋から難波間の
御堂筋沿いに4列に植えられて
その距離は3,3キロ 銀杏の数は849本
夏は青葉で緑の木陰
秋ははらはらと散る風情が
乾いた都会に潤いを与えてくれる
私が最も好きな大阪の艶姿である