りんくうマーブルビーチ (11月1日)
無題
秋の降る中
砂浜を歩けば忘れられた貝がらひとつふたつ
浜風が私の長い髪をなびかせて
頭上でカモメがクルリと円を描く
ここに今日までの私を置いてリセットしても
忘れたくない記憶がひとつふたつ
あなたに出逢ったこと
あなたに愛されたこと
その記憶だけは永遠に忘れず生きていたい
そごう百貨店 (11月2日)
女友達
心許してすべてを話して
あなたは私の姉であり妹であり
いつも本当にありがとう
母であること 妻であること
娘であること そして何より女であること
そのすべてを分かり合えるあなたと私
今 私が美しくいられるのも
あなたにおしゃれの術を教わったから
今 私がもう一度がんばろうと思うのも
いつもあなたが応援してくれているから
ありがとう あなた 大好きです
私の大切な女友達
長居植物園 (11月3日)
あなたにキスする
あなたにキスをして
あなたを大切に大切に愛しみ
あなたから甘い蜜をもらう
あなたの真紅のハートが
私のハートに流れる時愛が生まれる
そして私は甦る
この花に出逢えたことは人生の奇跡
この花を愛したことは私の運命
永遠に私のそばで咲いていてほしい
りんくうプレミアムアウトレット (11月4日)
またあした
5時を過ぎたからまたあした
あしたも一緒に遊びましょ
そんな約束をして
あしたがあると思っていたのに
次の日に君は転校生となった
キラキラ星のある大きなおはじきを
私の手のひらに握らせてくれた
5時を過ぎたからまたあした
あしたも一緒に遊びましょ
君は嘘つき12歳の秋
伊丹空港 (11月5日)
ターミナル
ターミナルであなたを待つ時間
私は何度も鏡を見る
もう一度ルージュを引きなおし髪を梳かす
もっときれいに もっときれいに
そんな私であなたを迎えたい
到着の電光掲示板のランプが点る
まもなく到着ロビーにあなたが現れる
ドキドキが止まらない
幸せの絶頂
ターミナルは二人のHIMITSUの場所
(11月6日)
真実
祖母から母へ 母から私へ
そして私から娘へと受け継がれてゆく
翡翠の指輪と水晶の数珠玉
歴史の女性の幸せな人生を紅い箱に入れて
あなたの人生もまた幸せであるようにと
箱は開けないで・・・・ 幸せが逃げてしまう
祖母も母も私も一度も箱を開けなかった
この中には本当に
翡翠の指輪と水晶の数珠玉は入っているのだろうか
真実を確かめる勇気があなたにはありますか?
御堂筋・淀屋橋 (11月7日)
信号
御堂筋から信号が消えた
イベントのための歩行者天国だったから
心配することはなかったのだが
突然予期せぬアクシデントで信号が消えたら
人も車も一歩も前に進むことができない
世の中は秩序の中で
規則性に基づいて動いている
ひとつ歯車が狂い始めると阻止できない
ドミノが倒れていくように
取り返しのつかない方向へ進んでゆく
私の心の信号よ
止まらないで私の道しるべとなって
(11月8日)
寝顔
ねんねこしゃしゃりませ 寝た子の可愛さ
起きて泣く子の ねんころろ 面にくさ
ねんころろん ねんころろん
子供が小さい時
寝顔を見て母の喜びを実感した
その寝顔は天使そのものだった
そして傍らで子守唄を歌いながら祈った
すくすく育てよと 元気に育てよと
ねんころろん ねんころろん
ホテル日航大阪 レ・セレブリテ (11月9日)
レストランにて
あなたのためにリザーブした指定席
今日はここでフレンチしましょうね
私たちが出逢った年のワインを開けて
出逢いのキューピットのあの人にも乾杯ね
あなたと向き合って食べるご馳走
あなたと見つめ合っておしゃべりする趣味の話
何年経ってもあなたへの想いは変わらずに
何度逢ってもあなたは愛しい私の恋人
あなたも私のためにリザーブして
私があなたの指定席に座れるのはいつ?
伊丹空港・猪名川土手にて撮影 (11月10日)
無題
あなたと出逢ったのは
ミクロの時間の神様の悪戯だったに違いない
あの時もう一杯珈琲を飲んでいたら出逢わなくて
あの時もし私が振り向かなかったら出逢わなくて
あの瞬間は神様が仕組まれた奇跡だった
それを運命と呼ぶならば
運命とはあまりにも偶然で儚い夢物語
もしも過去をリセットするならば
あなたと出逢ったあの日だけはどうしても消せない
それは神様をあざむく運命を削除することだと思う