花・5月 4
モッコウバラ・阿倍野区  (5月16日)

   他のバラに先がけて咲くモッコウバラは、
  トゲのないのが特徴。 
  つる性で八重咲きの小さな花は、
  とても愛らしくて一枝そっと持ち帰りたくなる。
  秋篠宮眞子さまのお印となって、
  広く知られるようになった。
  
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紫蘭・住吉区  (5月17日)

   日本に自生するランの中では珍しく洋花の
  感じのする花で、よく庭の花として
  植えられている。
  30センチくらいの背丈で少し下向き加減に
  咲くこの花は、とても控え目だけれど、
  その美しさは際立っている。
  憂いをもったこの花と同じ目の高さで、
  春の1枚を撮らせてもらった。
  
シャガ・東住吉区  (5月18日)

   花の多くは太陽の光をいっぱい浴びて咲く中で、
  このシャガは日陰を好んで咲く。
  そのほとんどが一日花で、次々と開花するので、
  長い間 日陰にも潤いが出来る。
  胡蝶が舞っているようなシャガがまるで日陰を
  独占するかのように咲いている姿に
  侘びた趣きを感じる。
  
リビングストーンデージー・阿倍野区  (5月20日)

   地面にはうように茎が広がり、小菊のような
  色とりどりの花を咲かせる。
  こんなに可愛らしくて、明るい花を見ると
  どんなに落ち込んでいたとしても 元気が出る。
  花に救われていることが多いと気づかせてくれる。
  
忘れな草・住吉区  (5月21日)

   名前そのものに伝説がこめられているような花は、そんなにたくさんあるわけではないが、
  忘れな草の場合はそれだけで自らの由来を示しているようだ。
  昔 若者が恋人と二人でドナウ川の岸辺を歩いていた。 その岸辺の向こうに青く小さな花を
  見つけた。 その花を恋人の為に摘み採ろうと、若者は川の中へ飛び込んだ。 
  そして向こう岸にあるその花をひとつかみ摘んで戻ろうとした。 ところがあと少しで
  岸辺に着くという時、誤って急流に落ちてしまい、必死で泳いだが流れには勝てず、
  その花を恋人のもとに投げると、「私のことを忘れないでおくれ」と叫んで永遠に姿を消した。
  恋人は死ぬまでその青い花を髪に差していたという。 ルドルフとベルタの悲しい愛の物語が
  今もなお語り継がれている。 花言葉は「私を忘れないで」。
クレマチス・住吉区  (5月22日)

   かざぐるまのような形をしたクレマチスはどことなく気品があり、
  よく着物や陶器の絵柄にもなり、歌にも詠まれる。 
  それほどこの花は日本人好みで、その開花を待ち望む人が多い。
  さりげなく垣根などに絡みつく花姿は、とても印象的で思わず
  足を止めてしまうほどの妖艶さを隠し持った花である。
  
シャクヤク・長居公園(東住吉区)  (5月23日)

   ボタンが終わるとシャクヤクが咲き始める長居公園に、しばらく行っていなかったのが
  気になっていた。 シャクヤクは終盤をむかえていたが まだまだ綺麗に咲いていた。
  ボタンとシャクヤクはよく似ているが、ボタンは低木でシャクヤクは多年草である。
  花色は紅色または白色で、根茎は漢方でも有名である。
  シャクヤクはボタン同様、花の王とも言われ、歴史の舞台にいち早く登場したのも
  シャクヤクである。 
  詩経に残されているロマンスに、昔 中国の女性が愛する人に心を込めて
  一輪のシャクヤクを贈ったという。 情熱的なこの花に魅了される。
都忘れ・阿倍野区  (5月24日)

   承久の乱のあと佐渡に流され余生を送った
  順徳天皇は、都で送った雅やかな生活が
  忘れられず、寂しい日々を過ごしていた。
  ある日 庭に咲く清楚な野菊に目が止まり、
  たいそう気に入り、「この花があれば、しばし
  都のことも忘れられる」と言い、この上なく
  大切に育てた。 それ以来この花は村人の間で
  「都忘れ」と呼ばれるようになった。
  いつの世も 花は悲しいことや辛いことを
  忘れさせてくれる。